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Oct 22, 2007

住宅は売り買いすべきものか

 最近のニュースでは、サブプライム問題が引き起こす世界経済への影響が繰り返し報道されている。「サブプライム」というと響きがよいが、実のところは「住宅ローン」問題である。アメリカで低所得向けに高金利で貸し出していた住宅ローンがデフォルト(焦げ付き)して、このローンを組み込んだ証券の価値が下がってしまい、経済に影響が出ているもの、と理解している(が、正しいだろうか)。ニュースでは、引き起こされた世界経済への影響の方ばかりが報道されて、その元凶である住宅ローンそのものの実態や問題はあまり扱われていないのだが、そこの部分を考えてみるといろいろと考えさせられるものがある。
 まずは、返済能力の十分ではない人に対して、ローンを提供して住宅を購入させるということが、果たしてよいのかどうかということ。返済能力が低くデフォルトする可能性がある人であっても、その分のリスクを見込んでサブプライムな高利子をつければ、ローン事業自体は成り立つはずだったのだろう。貸す側の金融機関は、慎重かつ十分な計算をした上で、そのような貸し出しを行っているに違いない。にも関わらず、想定以上にデフォルトは起きて、ローン事業そのもの及びこれを組み込んだ証券の価値を揺らがしているわけで、となればそもそもの「ローンを貸すこと」自体の意味や妥当性を疑ってしまう。
 もう一つは、住宅ローンを証券化して投資対象とすることがよいのかどうかということ。これまでの住宅ローンであれば、仮にデフォルトしても損を被るのは借りた個人と貸した金融機関だけであり、これはある意味互いの“自己責任”であると言えるだろうが、ローンが証券化されればより多くの投資家が損害を受けることになり、その結果が今回のような世界的な経済への影響につながってしまうのである。証券化というのは、リスクを分散することで投融資を円滑にするためのものだろうが、その分責任も分散されて見えにくくなり、影響もその分広がってしまうわけで、住宅という個人的なものに対するローンが、そういうふうに“広がって”いってしまってよいものなのか。
 さらに考えれば、証券化という方法を使ってまでしてローンを提供し、低所得者を含めた多くの個人に住宅を購入させるというやり方が、本当によいものなのだろうかという気もしてくる。そもそも住宅を買う必要がなければ、ローンも必要ないのであり、もちろん証券化も必要がなく、このような経済への影響もないわけである。住宅建設による景気へのプラスの影響は大きく、実際にサブプライムローンなどによる住宅建設・販売が近年のアメリカ経済の好況をつくってきたのだろうが、それが崩れた時のマイナスの影響が大きいことも事実であって。そういうことを考えると、住宅に対する政策全般が市場重視になっていく中で、その根底にある「住宅を売る/買う」という行為の意味を改めて見直さなければならないように思う。
 先日旅行した中国でも、かなり多くの巨大な住宅が建設・供給されていて、ある程度経済が活性化してくると、多くの富を得た人をターゲットにした住宅が供給されて、それが経済をさらに押し上げるという循環がある様子だったが、こういうやり方はいつまで続くものなのだろうか、それ以前に本当に良いやり方なのだろうか。

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