「たまゆら」火災に思う
群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で火災が発生し、入所者が亡くなるという事故が起きた。この施設名・団体名をニュースでみたとき、聞いたことがある…と思って調べてみたら、施設を運営していたのは、ここ数年行っている「住宅に関連した活動を行うNPO調査」の対象団体だった。2005年に実施したアンケートにも回答があったし、その後群馬県庁に行った際には事業報告書なども収集していたのであった。
で、改めて手元の事業報告書をみてみると、運営団体は1999年の設立で、当初は「(高齢者)療養のための温浴施設」を運営しており、無料体験温浴を進めていたが、その後2003年に滞在用の部屋20室を設置して「滞在型療養施設」へと方針を転換し、さらに2004年には「生活保護者の居住施設」へと変わっている。とみると、あくまでも推測ではあるが、当初の「療養施設」ではうまく話が進まず、方針を転換して生活保護者施設に落ち着いた…というふうにもみえる。そういう意味では、建物はそもそも「高齢者の居住施設」としてつくられてはいないし、職員も介護などを前提とした人達ではないようにも思えるのである。ちなみに施設の所有者はNPO自体で、施設の入手のためとみられる借入金も数千万円ほどあるし、経営を成り立たせるには生活保護者を対象に、しかも東京から呼び寄せるしかなかったのかな、という気もする。
そういう意味では、介護が主目的のNPOが介護事業の延長的にやっている、無届け有料老人ホームともまた違ったものであって、この事故だけをもって「NPOはけしからん」「無届けは問題」と判断されるのは、どうかなと思う部分もある。NPOの中にも、そして無届け施設の中にも、きちんとしたものもあればそうでないものもあるのであり、それを一括りで問題だとする反応はどうかとも思う。
また、今回の物件は問題があったとしても、あのようなものを「施設」とみるか「住宅」とみるかでも、対応の考え方・仕方が違うのではないだろうか。「施設」とみなして全て申請・登録させて公的チェック、というのは、個人的にはなにか違うような気がしてならない。むしろ「住宅」の延長として位置づけて、公的規制というよりは、市場による適切なチェックが機能するような方向にならないものだろうか。公的に把握してコントロールしたいのならば、行政側も一定の責任を持つべきだし、その分公的な資金を出すなどの対応も必要ではないかと思うのだが。

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